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【体験談】フィリピンの大学は英語かフィリピン語か?公用語と大学留学の実態

⌚ 2026年8月28日 公開(2026年8月29日 更新)

フィリピンへの大学進学や長期留学を考える際、最も気になるのが「授業は何語で行われるのか」という点ではないでしょうか。フィリピンは世界で3番目に英語を話す人口が多い国と言われていますが、現地には独自の言語も根強く存在します。

この記事では、フィリピンの大学における英語とフィリピン語(タガログ語)の使い分けや、教育現場のリアルな言語環境について詳しく解説します。

目次

この記事のまとめと要点

  • フィリピンの大学教育は原則として100%英語で行われ、教科書やシラバス、レポート提出もすべて英語である。
  • 公用語は英語とフィリピン語の2つだが、日常生活やプライベートではタガログ語や各地域の地方言語が主流となる。
  • 学部によって英語の使用比率が多少異なり、法学、医学、理系学部は高度な英語環境が徹底されている
  • 日本でフィリピン語を専門的に学ぶなら東京外国語大学などが代表的である。
  • フィリピンの大学には日本語学科や日本研究センターを持つ大学もあり、現地学生の日本文化への関心も非常に高い。

フィリピンの公用語は「英語」と「フィリピン語」の2つ

フィリピンは多数の言語が存在する多言語国家であり、1987年制定のフィリピン共和国憲法によってフィリピン語(Filipino)と英語(English)の2つが公式な公用語として定められています。

公用語が2つ存在する歴史的背景

フィリピンは300年以上にわたるスペイン統治時代を経て、1898年からのアメリカ統治時代に公教育制度とともに英語教育が全土へ急速に導入されました。この歴史的背景により、行政、法律、ビジネス、高等教育の場では英語が標準言語として定着した一方、国民のアイデンティティと結束の象徴としてフィリピン語が大切に保持されています。

フィリピンには言語が187以上ある

フィリピン全土には、なんと187もの言語(方言ではなく独立した言語)が存在すると言われています。7,000以上の島々からなる島国であるため地域ごとに独自の言語が発達しており、異なる地域の出身者同士が会話をする際には、共通語であるフィリピン語や英語が相互理解のツールとして使われます。

街の公用語:タガログ語

マニラを中心とした首都圏(メトロマニラ)およびルソン島中南部で広く話されているのがタガログ語です。これが国語としての「フィリピン語」のベースとなっています。街中のジプニーの行き先表示やローカルTV番組、友人同士の日常会話では、このタガログ語が最も頻繁に耳にする言葉となります。

教育の公用語:英語

一方で、小学校の初等教育から大学の高等教育に至るまで、フィリピンでは制度的に英語が教授言語(Medium of Instruction)として採り入れられています。数学や理科、社会などの主要科目は幼少期から英語で教えられるため、高等教育を受けたフィリピン人ほどネイティブに近い高度な英語力を自在に操る傾向があります。

街とキャンパスで違う言語のリアル

大学のキャンパス内に一歩足を踏み入れると、街中の雑踏とは一味異なるグラデーションのある言語環境が広がっています。

日常会話はタガログ語がベース

授業を離れた休み時間やランチタイム、サークル活動など、学生同士のプライベートな日常会話はタガログ語がベースです。留学生が含まれていないローカル学生同士のグループでは英語だけで話すことは少なく、リラックスした場面では直感的にニュアンスが伝わる母国語を好みます。

英語とタガログ語が混ざる「タグリッシュ」

文の途中で単語が入れ替わる

フィリピン特有の言語現象として、英語とタガログ語を自然にミックスして話す「タグリッシュ(Taglish)」があります。基本文法や接続詞はタガログ語を使いつつ、名詞、動詞、専門用語などを英語に差し替える柔軟な話し方です。

若者文化の象徴

都市部の大学生や若年層の間では、タグリッシュで話すことが最も親しみやすくスマートな表現スタイルとされており、SNSの投稿やメッセージアプリ(Messenger等)でのやり取りでも日常的に多用されています。

フィリピン語とタガログ語は同じ?

厳密には、フィリピン語はタガログ語を骨格としつつ、セブアノ語やイロカノ語など他地域の地方言語の語彙を取り入れて標準化した「憲法上の国語」を指します。しかし実態としては、文法も基本語彙もタガログ語とほぼ同一視されており、現地で日常的に明確に区別されることはほとんどありません。

地方によって変わる第一言語

セブ島やボホール島、ダバオなどのビサヤ・ミンダナオ地方では、第一言語(母語)はタガログ語ではなくセブアノ語(通称ビサヤ語)となります。セブ島などの地方大学へ留学する場合は、キャンパス内の学生同士の会話の主流がビサヤ語になる点を事前に把握しておくと安心です。

大学の授業は本当に英語だけなのか

「フィリピンの大学の授業は100%英語」と案内されるのが一般的ですが、実際の講義風景にはいくつかリアルなニュアンスやグラデーションが存在します。

基本は英語、100%ではない現実

教授が行う講義の解説、スライド、配布資料は原則100%英語ですが、複雑な概念や抽象的な概念を提示する際、教授が学生の理解を補けるよう一時的にタガログ語で言い換えるケースが稀に見られます。

接続詞や相槌はタガログ語混じり

講義自体は英語で進行していても、教授や学生の発話の中で「So」や「Actually」といった接続詞の代わりに、タガログ語のつなぎ言葉(「Kasi=なぜなら」「Talaga=本当」など)が自然と挟み込まれることがあります。

「ね」「さ」にあたるtag words

文章の末尾に「po(丁寧を表す語)」や「na(〜すでに)」「pa(まだ〜)」といった短い語(tag words)が付加される頻度が高く、これが柔らかく親しみやすいフィリピン英語独特のアクセントやリズムを形成しています。

 

フィリピン英語 なまり については、こちらで詳しく紹介しています。

フィリピン英語のなまりは大丈夫?留学への影響や特徴、発音、聞き取りやすさ徹底解説

学部によって変わる英語比率

専攻する学問分野の性質によって、授業内で使われる英語の厳密さや使用比率には明確な差が生まれます。

Arts and Sciencesは全英語

教養学部、文学部、心理学、ビジネス学部、自然科学(理系)などの主要学部では、教科書・学術論文の読解や理論的ディスカッションが不可欠なため、授業のほぼ100%が厳格な英語で進められます。

Criminologyはタガログ語多め

犯罪学(Criminology)や警察行政に関する学部では、将来的に現地の警察官や現場スタッフとして地域住民と接することを想定しているため、実務的な解説においてタガログ語での講義が増える傾向があります。

Political Scienceは基本現地語

政治学(Political Science)や憲法・フィリピン歴史に関する講義では、国内の政治情勢や法律解釈、ローカルな社会問題を深く議論する際、微妙なニュアンスを正確に共有するために現地語(フィリピン語)が用いられる場面もあります。

教科書・レポート課題はすべて英語

授業中の口頭説明で多少の現地語が混ざることがあったとしても、指定教科書、シラバス、定期試験問題、提出する論文・レポート課題は例外なく100%英語です。学業成績を修め単位を取得するためには、ネイティブレベルの英語での高い読解力と論文作成能力が提示されます。

英語で学ぶから出会える多国籍な学友

フィリピンの大学が質の高い英語教育を提供している最大のメリットは、世界中から多様な志を持った留学生が集まってくる環境にあります。

中東・アフリカ・東南アジアの留学生たち

フィリピンの大学キャンパスには、欧米(アメリカ・イギリス・オーストラリア等)の大学と比較して学費や生活費を大幅に抑えながら英語で正規の学士・修士号を取得できる点に魅力を感じた、中東(サウジアラビアやイラン等)、アフリカ諸国、中国、韓国、他の東南アジア諸国からの優秀な留学生が数多く在籍しています。

英語力と異文化理解が同時に伸びる

価値観や宗教的バックグラウンドが全く異なるクラスメイトと共通言語である英語を使ってグループワークやディベートを行うことで、単なる語学の枠を超えたグローバルな多角思考と高度な異文化適応力が自然と身につきます。

日本では出会えないクラスメイトの多様性

多様な文化的背景を持つ友人たちと寝食や学びを共にし、多様な視点に触れる刺激的な体験は、日本国内の大学ではなかなか味わえないフィリピン大学留学ならではの大きな醍醐味と言えます。

〈体験談〉フィリピン大学のリアルな言語環境

実際のキャンパスライフや現地生活において、言語に関してどのような体感を得ることになるのでしょうか。

ぶっちゃけ生活にタガログ語はいらない

大型ショッピングモール、病院、空港、役所、銀行などの公共機関・商業施設では、スタッフ全員が完璧な英語で丁寧に対応してくれるため、日常生活を送る上でタガログ語の習得は決して必須ではありません

フィリピン英語の現実

現地で日常的に使われるフィリピン英語には、留学生が知っておくべき実用的な特徴があります。

発音は聞き取りやすい

フィリピンのアメリカ統治時代の名残から、教育現場で使われる英語はアメリカ英語(General American English)がベースになっています。綺麗な発音でクリアに話す人が多いため、日本人にとっても聞き取りやすく馴染みやすいのが強みです。

 

フィリピン英語 特徴 については、こちらで紹介しています。

フィリピン英語の特徴を徹底解説!ネイティブとの違いや効果的な学習方法

フィリピン独自のスラングを使う

「Nosebleed(直訳:鼻血/頭を使いすぎて英語が難しすぎる状態を表す)」や「CP(Cellphone/携帯電話)」など、フィリピン独特のチャーミングな英単語やスラングが存在します。これらを覚えるとローカル学生との距離が一気に縮まります。

授業内の英語はIELTSと違う

IELTSやTOEFLなどの資格試験用の定型的な英語と、実際の大学講義で飛び交う英語は異なります。講義では教授や学科固有の専門用語(Term)や実践的・応用的なフレーズを即座に読み解くスピード感が求められます。

よくある質問

フィリピンは英語とタガログ語どちらが通じる?

フォーマルな場面や教育現場、商業施設では英語が完璧に通じます。一方で、ローカルな市場(パレンケ)やタクシーの運転手、親しい友人間のプライベートな会話ではタガログ語が優先されます。留学生や外国人に対しては、相手から英語で優しく話しかけてくれるのが一般的です。

タガログ語は留学前に勉強しておくべき?

必須ではありません。 授業や生活の基本は英語で完結します。ただし、簡単な挨拶や感謝の言葉(「Salamat / サラマッ=ありがとう」「Magandang umaga / マガンダン ウマーガ=おはようございます」など)をいくつか覚えておくだけで、現地の人々との心の距離をぐっと縮めることができます。

フィリピンの母国語・第一言語は何ですか?

国としての国語(National Language)はフィリピン語(Filipino)です。しかし、個人の第一言語(母語)は生まれ育った地域によって大きく異なり、マニラ周辺ではタガログ語、セブ等のビサヤ地方ではセブアノ語、北ルソンではイロカノ語といった形で多岐にわたります。

フィリピン語を日本で学びたい場合

日本国内でフィリピン語(タガログ語)を体系的かつ高度に専門習得したい場合は、東京外国語大学 言語文化学部(フィリピン語専攻)が日本で最も定評のある代表的な高等教育機関です。(参考:東京外国語大学 公式サイト

日本語を学ぶフィリピンの学生

フィリピンの最高峰であるフィリピン大学(UP)ディリマン校やアテネオ・デ・マニラ大学をはじめとするトップ大学には、日本語学科や日本研究センター(Japan Studies Center)が設置されており、日本のアニメ、文化、経済に関心を持つ多くのフィリピン人学生が真剣に日本語を学んでいます。(参考:フィリピン大学ディリマン校

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