語学留学で得たこと・得られなかったこと〜英語との本当の向き合い方〜
こんにちは!フリーライターの下鳥です。
私がフィリピンに語学留学したのは4年前。
新卒から11年勤めた会社を33歳で辞めたタイミングでした。
留学の理由はもちろん、英語を身に付けたかったから。
海外旅行に行きたかったし、世界中の人と英語で話せたらどんなに楽しいだろうと思っていました。
でも現実は、すんなり理想通りにはいかず、、(笑)
今回は、私がフィリピン留学で得たことと得られなかったことを正直に書きたいと思います。
これからフィリピン留学を検討している人に、一つの体験談として参考になったら嬉しいです。
語学留学で英語は「身についた」のか?
留学前の英語力
私が留学したのはフィリピンのドゥマゲッティという地方都市で、当初の予定期間は2ヶ月間。
学校の寮に住みながら1日6時間のマンツーマン授業を受けました。
ちなみに留学する前の私の英語力は、中学英語の文法もほとんど忘れてしまっているレベル。
「did」が「do」の過去形であることすら覚えていませんでした(笑)
留学までに中学英語の文法を復習し、留学初日に受けたTOEIC模擬試験はなんとか470点。
スピーキングテストも受けた上で、診断結果「Beginner」からのスタートでした。
伸び悩みに焦って留学延長
当初は不安でいっぱいでしたが、意外なことにマンツーマン授業には1週間で慣れました。
フィリピン人の先生たちがとにかく明るくてフレンドリーで楽しい!
正直、先生の英語はまだ全然わかりませんでしたが、「外国人とマンツーマンで会話している」という状況だけでテンションが上がっていました。
(実際には会話ではなく、ただ先生の話を聞いていただけなんですが。。)
ところが1ヶ月経ったくらいから焦りが生まれました。
1週間時点と比べて、英語力がほとんど伸びてない気がしたからです。
そして2ヶ月が過ぎた頃、焦りはピークに達しました。
その時点での自分の英語力が、思い描いていた理想からははるかに遠かったからです。
「このままではまずい」と考えた私は、もともとは2ヶ月の予定だった留学をさらに2ヶ月延長することにしました。
そして自習方法を変えたり、外国人留学生と積極的にコミュニケーションを取ったりして、英語学習により熱心に取り組み始めました。
4ヶ月留学の成果は?
学習方法の改善が功を奏したのか、3ヶ月目に入ってからは徐々に伸びが感じられるようになりました。
具体的には、これまでは先生の話を聞く一方だったのに、自分からもだいぶ話せるようになってきました。
そして4ヶ月が終わる頃には、簡単な会話ならかなりスムーズにできるようになっていました。
「英語が身についた」とはまだまだ言えないレベルでしたが、自分の言いたいことはある程度言えるし、先生の言っていることもほぼわかるようになったので、ここでようやく留学に満足できました。
なんならこの時は、「もしかして私もう結構上級者なんじゃないの?」と少し調子に乗っていました(笑)
でもその自信は、帰国後すぐに打ち砕かれることになります…
帰国後に直面した現実
TOEICが全然解けない
留学を終えて日本に帰国した私は、英語力を目に見えるかたちでも証明したいと思い、TOEICを受けてみることにしました。
留学初日の模擬テストでは470点でしたが、4ヶ月の留学を終えて調子に乗っていた私は「今なら800点くらい取れちゃうかも」なんて思い上がったことを考えていました。
でも自分でTOEICの模擬テストをやってみて、愕然としました。
英語が速すぎて全然聞き取れない。わからない単語が多くて問題が理解できない。
ここでやっと私は、留学中は先生たちが私に合わせてゆっくりわかりやすく話してくれていたこと、私が熱心に勉強していたのは会話ばかりで文法や単語は疎かにしてきたことに気づきました。
上級者なんてとんでもない、まだまだ圧倒的にビギナーレベルだったんです。
TOEICは英語力の証明にならない
全く歯が立たなくて悔しかった私は、TOEICに特化した英語の勉強を始めました。
TOEICの頻出単語や頻出文法を覚え、リスニングとリーディングの模擬問題を解きまくりました。
そうして受験したTOEICの点数は865点。
かつての自分だったら想像もできない、私にとっては夢のような点数が取れました。
でも、そこでまた愕然としました。
TOEICの勉強でまた少し英語力は上がりましたが、それでもまだ全然英語がわからなかったんです。
例えば、海外ドラマの英語のセリフは半分も理解できないし、ネイティブスピーカーの集団に混じると会話に全くついていけませんでした。
無知だった私は、TOEICで800点以上取る人なんてきっと英語がペラペラなんだろうなと思っていました。
でも実際に取ってみると、そんなことは全くなかった。
865点でもまだまだ入口、ビギナーでしかないと気づかされたんです。
得られたのは学び続ける覚悟
「英語が身に付く」って、具体的にどういうことでしょう。
正直、留学前の英語が全くわからなかった頃の私は、そもそも英語が身に付く「段階」をイメージできていませんでした。
自分の言いたいことが言えるようになって、相手の言っていることがなんとなくわかるようになれば、それで十分だと思っていました。
でも実は、本当の英語学習はそこから先こそが果てしなく長かったんです。
実際の生きた会話では、「なんとなく」の英語だと誤解が生まれるし、深いコミュニケーションができません。
当然、ビジネスシーンでも全く使えない英語になってしまいます。
でもその「なんとなく」を「本格的な」英語に高めるには、語彙や文法はもちろん、発音とアクセント、ネイティブならではの言い回し、アメリカ英語とイギリス英語の使い分けなど、もっともっと学ばなければならないことが果てしなくありました。
実際に入口に立ってみて初めて、本来のゴールまでの距離を知ることができたんです。
フィリピン留学で得られたものはたくさんあります。
海外ならではの価値観や先生たちとのコミュニケーション、さまざまな国籍の友人など。
でも英語力に関して言うならば、私の場合最も大きな収穫は「英語学習の入口に立てたこと」でした。
英語は一度の留学で身に付くものではないし、TOEICスコアだけで証明できるものでもない。
果てしなく遠いゴールに向かって生涯学び続けるものなんだと気づくことができました。
もう一度英語を「使う」環境へ
インターネットで世界が繋がっている今、英語はどこにいても学ぶことができます。
日本でもオンライン英会話でネイティブスピーカーのレッスンを受けられるし、街に溢れる外国人観光客と英会話を実践することだってできます。
ただ、「生涯学び続ける」ことができるかどうかは、本人のモチベーション次第です。
日常で英語を使う機会がほぼない環境でも、自分の意志で努力し続けられるかどうか。
私はフィリピン留学によって英語学習者の入口に立つことができましたが、帰国後は英語を使う仕事に就いたわけでもなく、せっかく学んだ英語を使う機会がほとんどありませんでした。
自分なりに勉強を続けましたが、留学時代と比べて圧倒的に英語に触れる時間が少ない状況に、だんだん歯痒さを感じるようになりました。
環境に流されずモチベーションを維持できる人もいると思いますが、根性なしの私にはそれがとても難しいことに感じました。
私にとって留学は、学習せざるを得ない環境に自分を無理矢理置くという面でも効果的な方法だったんだなぁと気付かされました。
この歯痒さに耐えられなくなった私は、結局フリーランスになって再び日本を離れ、海外に移住することを決めました。
今は基本的にフィリピンに住んでいますが、ときどき他の国にも滞在しながら語学学習の日々を続けています。
海外経験を「一度だけ」で終えてしまうのはもったいない
海外で暮らしている今は、留学していたときとはまた少し違った感覚で英語に向き合っています。
留学中はひたすら「授業で教わる」スタイルでしたが、今は生活していくために必要な英語を日々実践していて、学習の段階がまた一つ上がった印象です。
やっぱり私にとっては、日常的に英語を使える環境に身を置くことが一番しっくり来るんだなと実感しています。
語学留学を終えてから、もし英語学習のモチベーションが保てなかったり、せっかく学んだ英語を使えずにどんどん忘れていくことが歯痒く感じたら、思い切ってもう一度海外に出てみるのもアリではないでしょうか。
今度は違う国に留学してみたり、あえて語学学校ではなく大学に入学してみるのもいいと思います。
ワーキングホリデーなどを利用して海外で働いてみるのもよさそうですよね。
私は年齢的にもうワーキングホリデー制度は利用できませんが、今後は英語を使ったビジネスにも挑戦してみたいし、できれば海外の大学で学位も取ってみたいと考えています。
そうして一歩ずつより高度な環境に身を置くことで、英語学習も確実にステップアップしていくはずです。
少し前までは、「英語を使う環境に身を置く」なんてとてもハードルの高いことに感じていました。
海外は怖いし、お金もかかるし、何より「まだ英語話者じゃないのに海外でやっていけるはずがない」と思っていました。
でも実際に海外に来てみると、そのハードルは思っていたより低かったんです。
LCCのおかげで今や日本と海外は安く気軽に行き来できるし、インターネットの発達で世界の距離もぐっと縮まりました。
大学留学だってちょっと前までは富裕層の特権でしたが、このフィリピン留学ナビサイトでも紹介している通り、フィリピンだったら学費1年10万円で入学できてしまうんです。
今やこんなに選択肢が広がっているなんて、留学する前の私は想像もしていませんでした。
これからはさらに、もっと気軽に世界中を移動して、多言語でのコミュニケーションが普通の時代になっていくはずです。
それにチャンスは学生や若手だけでなく、いまや社会人やセカンドキャリア、リタイアメントなど幅広い年代層に平等に広がっています。
これだけ恵まれている時代だからこそ、一度の語学留学で海外経験を終えてしまうのはとてももったいないと思います。
ぜひ改めて、今度はもう一段階レベルアップした環境で英語に向き合ってみませんか。
私の体験談が、みなさんの海外での新たな挑戦を後押しできたら嬉しいです!
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