【2025年最新】フィリピンの平均年収・月収を徹底解説!日本人現地採用の給料相場
⌚ 2025年2月1日 公開(2025年11月25日 更新)
フィリピンで働くことを検討している方や、現地採用の給与相場が気になる方に向けて、最新の給与データをまとめました。
この記事では、フィリピン人の平均年収や月収に加えて、日本人が現地採用される場合の職種別給料相場、手取り額のシミュレーション、税金や社会保険料の仕組みまで詳しく紹介しています。
マニラやセブなど都市別の給与差や、企業規模による待遇の違い、英語力が給与に与える影響についても具体的に解説しますので、フィリピンでのキャリアを考える際の判断材料として役立ちます。
フィリピン人全体の平均年収・月収・時給
フィリピン人の平均年収は、日本と比べるとかなり低い水準にあります。
フィリピン統計局のデータによれば、全国平均の月収は約15,000〜20,000ペソ(約4万〜5万円)程度で、年収に換算すると約180,000〜240,000ペソ(約45万〜60万円)です。
職種や勤務地によって給与は大きく変わりますが、最低賃金で働く人も多く、生活費とのバランスを考えると決して楽とは言えない状況です。
平均年収・月収データ(全国・都市別比較)
フィリピン国内では、都市部と地方で給与水準に大きな差があります。
経済の中心地であるマニラ首都圏と、観光や留学で人気のセブ島、そして地方都市では、それぞれ平均月収が異なります。
| 地域 | 平均月収 | 年収換算(目安) |
|---|---|---|
| マニラ首都圏 | 20,000〜25,000ペソ | 約240,000〜300,000ペソ(約60万〜75万円) |
| セブ島 | 15,000〜20,000ペソ | 約180,000〜240,000ペソ(約45万〜60万円) |
| 地方都市 | 10,000〜15,000ペソ | 約120,000〜180,000ペソ(約30万〜45万円) |
マニラは外資系企業や日系企業が集まるビジネスの中心地で、給与水準が最も高くなっています。
セブ島は観光業やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界が盛んで、マニラに次ぐ収入を得ることができます。
平均月収は全国平均に近いです。しかし、近年は物価上昇が続いており、生活水準は必ずしも高いとは言えません。
セブ島は観光地ということもあり、物価は比較的高めです。特に、家賃や外食費はマニラ首都圏に匹敵する水準です。
地方都市では農業や工場勤務などが中心で、収入は控えめですが生活費も安いという特徴があります。
平均月収は、マニラ首都圏やセブ島よりも低くなっています。
職種別平均月収と最低賃金
フィリピンでは職種によって給与に大きな差が出ます。
英語力や専門スキルを持つ職種ほど高収入が期待できる傾向にあります。
| 職種 | 平均月収 |
|---|---|
| ITエンジニア・プログラマー | 30,000〜50,000ペソ |
| BPOカスタマーサポート(英語対応) | 25,000〜35,000ペソ |
| 外資系企業マネージャー職 | 40,000〜70,000ペソ |
| 医療関係(看護師・技師など) | 25,000〜40,000ペソ |
| 販売スタッフ・事務職 | 10,000〜15,000ペソ |
| 工場労働者 | 10,000〜14,000ペソ |
最低賃金は地域によって異なりますが、マニラ首都圏では1日当たり約610ペソ前後に設定されています。
月収に換算すると約13,000〜14,000ペソとなり、これが多くの一般労働者の収入の基準となっています。
専門職と一般職の間には大きな収入格差があり、教育レベルや英語力が給与に直結する構造になっています。
フィリピンと日本の平均年収比較
フィリピンと日本の給与水準を比較すると、その差は歴然としています。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は約461万円です。
一方、フィリピンの平均年収は約45万〜60万円程度ですから、日本の平均年収はフィリピンの約7〜10倍という計算になります。
ただし物価も日本のほうが高いため、単純な比較は難しい面もあります。
フィリピンでは生活費が安く、月収15,000ペソでも地方であれば暮らしていける一方、日本では同じ水準の収入では生活が成り立ちません。海外出稼ぎ労働者(OFW)が多いのも、この給与格差が大きな理由の一つです。
日本人現地採用の給与相場と採用市場の実態(職種別)
フィリピンで働く日本人の給与は、「現地採用」か「駐在員」かで大きく変わります。
ここでは、現地採用として働く場合の職種別給与相場と、採用市場の実態について解説します。
フィリピンでの日本人現地採用の平均月収は60,000〜100,000ペソ(約15万〜25万円)程度が相場とされています。
日本語能力と英語力を活かせる職種が中心で、現地のフィリピン人スタッフよりも高い給与水準が設定されています。
求人を探す際には、転職エージェントを利用することで、条件や待遇の良い案件に出会える可能性が高まります。
最近では、現地採用でも一部の企業が住宅補助や帰国支援を提供するなど、待遇改善の兆しが見られます。
営業職の給料相場と待遇
営業職は日系企業の現地法人や、フィリピンに進出している日本企業向けのサービス会社で多く募集されています。
主な業務は日本企業への営業活動や既存顧客のフォロー、現地スタッフのマネジメントなどです。
営業職の給与相場は月70,000〜120,000ペソ(約18万〜30万円)で、経験年数や実績に応じて変動します。
インセンティブ制度を設けている企業も多く、成果次第では基本給の1.5倍以上を稼ぐことも可能です。
待遇面では、交通費支給や携帯電話の貸与が一般的です。営業車両を支給する企業もあります。
フィリピンでは、多国籍企業の進出や、BPO産業の発展に伴い、ビジネス系職種の需要も高まっています。
特に、経営企画、マーケティング、営業、人事、財務、会計などの分野では、高いスキルと経験を持つ人材が求められています。
これらの職種は、高収入を得るチャンスがあります。経験を積むことで、管理職や経営幹部へのキャリアアップも可能です。
事務職の給料相場と待遇
事務職は日本語を使った一般事務、経理、人事などが主な職種です。日本本社とのやり取りや、現地スタッフへの業務指示など、架け橋となる役割を担います。
事務職の給与相場は月60,000〜90,000ペソ(約15万〜23万円)程度です。
経理や人事といった専門知識が求められるポジションでは月100,000ペソを超えるケースもあります。
待遇は企業規模によって差がありますが、通勤手当や食事手当が支給される場合が多いです。
大手日系企業では健康保険や年次有給休暇などの福利厚生も充実しています。
IT技術職の給料相場と待遇
IT技術職はフィリピンで最も需要が高い職種の一つです。IT産業が急速に成長しており、ITエンジニアの需要が高まっています。
BPO企業やシステム開発会社、オフショア開発拠点などで、エンジニアやプログラマー、ブリッジSEとして働くケースが増えています。特に、ソフトウェア開発、Web開発、データサイエンス、人工知能などの分野は、高いスキルを持つ人材が求められています。
IT技術職の給与相場は月80,000〜150,000ペソ(約20万〜38万円)と、他職種と比べて高めです。
使用言語やフレームワークの種類、プロジェクト管理経験の有無によって大きく変動します。
フレックスタイム制やリモートワーク制度を導入している企業も多く、働き方の柔軟性が高いのが特徴です。
研修制度や資格取得支援を設けている企業もあります。
経験豊富なエンジニアであれば、日本円で月収数十万円以上も可能です。
Glassdoorなどのサイトで、より詳細な給与情報を確認できます。
Java, Python, PHP, JavaScript, C++, Ruby, Swift などのプログラミング言語スキル、
AWS, Azure, GCP などのクラウドコンピューティングスキル、AI、機械学習に関する知識を持つエンジニアは、
特に需要が高く、高収入が見込めます。
具体的な給与レンジは企業やポジションによって異なります。経験を積むことで、より高い給与を得られる可能性があります。
また、英語力も重要なスキルであり、英語力を高めることで、外資系企業での就労や、海外との仕事の機会が広がります。
管理職の給料相場と待遇
管理職は現地法人の責任者やマネージャーとして、複数の部門を統括する立場です。日本本社との調整や経営判断、人材育成など、幅広い業務を担います。
管理職の給与相場は月100,000〜200,000ペソ(約25万〜50万円)以上で、企業規模や業種によってはさらに高額になります。
マネジメント経験や業界知識が豊富な人材は特に高く評価されます。
住宅手当や帰国費用の負担、子女教育手当など、充実した福利厚生が用意されている場合が多いです。
年1〜2回の一時帰国費用を会社が負担するケースもあります。
高い実績を残したり、MBAなどの専門資格を取得することで、より高い給与を得られる可能性があります。
また、外資系企業で働く場合は、さらに高収入が見込めます。
医療従事者の給料相場と待遇
フィリピンでは、医療従事者の需要も高く、医師や看護師は比較的高収入を得ています。特に、専門性の高い医師や、経験豊富な看護師は、高待遇で働くことができます。
ただし、フィリピン国内の医療機関で働く場合、給与水準は日本と比べると低い傾向にあります。
一方、海外で働くフィリピン人医療従事者は多いです。海外での就労経験を積むことで、収入アップを目指すことも可能です。
医師の給与は、専門分野や経験、勤務先によって大きく異なります。一般的には、月収数千ペソから数十万ペソ程度です。
看護師の給与は、医師よりも低く、月収数千ペソから数万ペソ程度です。ただし、夜勤手当や残業手当など、各種手当が支給される場合もあります。
また、海外で働く場合は、現地の給与水準に合わせた高収入を得られる可能性があります。
フィリピンで働く場合の手取り月収シミュレーションと税負担
フィリピンで現地採用として働く場合、給与明細に記載された額面と実際に受け取れる手取り額には大きな差があります。
日本と同じように所得税や社会保険料が差し引かれる仕組みですが、計算方法や税率は異なります。
ここでは、フィリピンで働く際に知っておきたい税金と手取り額の関係について具体的に解説します。
所得税と社会保険料の計算方法
フィリピンでは、給与から差し引かれる主な項目として「所得税」「SSS(社会保障制度)」「PhilHealth(国民健康保険)」「Pag-IBIG(住宅積立基金)」の4つがあります。これらは日本でいう所得税や厚生年金、健康保険に相当する制度です。
所得税は累進課税方式で、年間所得25万ペソまでは税率0%、それ以上になると所得に応じて15%から35%の税率が適用されます。月収に換算すると、約2万ペソ以下であれば所得税はかからない計算になります。
社会保険料については、SSSが給与の3.63%(従業員負担分)、PhilHealthが月額給与に応じて数百ペソ程度、Pag-IBIGが1%または2%といった割合で差し引かれます。これらの負担率は定期的に改定されるため、最新の税率を確認することが重要です。
実際の手取り額はいくらになるか
具体的な手取り額を理解するために、いくつかのケースでシミュレーションしてみましょう。月収や職種によって、実際の受取額がどれくらいになるのかを見ていきます。
| 月収(額面) | 所得税 | 社会保険料合計 | 手取り額(概算) |
|---|---|---|---|
| 20,000ペソ | 0ペソ | 約1,200ペソ | 約18,800ペソ |
| 40,000ペソ | 約2,500ペソ | 約2,400ペソ | 約35,100ペソ |
| 60,000ペソ | 約5,800ペソ | 約3,600ペソ | 約50,600ペソ |
| 80,000ペソ | 約10,300ペソ | 約4,800ペソ | 約64,900ペソ |
上記の表からわかるように、月収が高くなるほど所得税の負担も増えるため、額面と手取りの差が大きくなります。月収6万ペソの場合、約9,400ペソが控除され、手取りは約50,600ペソです。
日本人の現地採用で一般的とされる月収6万〜10万ペソの場合、手取りは額面の80〜85%程度になると考えておくとよいでしょう。企業によっては交通費や住宅手当が非課税で支給されるケースもあり、そうした福利厚生がある場合は実質的な手取り額が増えることになります。
日本との税負担の違い
日本とフィリピンでは、税制の仕組みや負担感に違いがあります。まず、フィリピンの所得税は累進課税であるものの、低所得層への配慮として年収25万ペソ以下は非課税という制度があります。
一方、日本では住民税や厚生年金保険料、雇用保険料など控除項目が多岐にわたり、税負担が重く感じられることもあります。フィリピンでは控除の種類が比較的シンプルで、計算もわかりやすい構造です。
消費税にあたる付加価値税(VAT)はフィリピンでは12%と日本よりやや高めですが、食品や医薬品など一部の生活必需品は非課税または軽減税率の対象となっています。生活費全体で見ると、物価の安さもあり体感的な税負担は日本よりも軽く感じる人が多いようです。
また、日本人がフィリピンで働く場合、日本の税制との二重課税を避けるための租税条約が適用されます。適切に申告すれば、両国での二重課税は回避できるため、事前に税理士や会計士に相談しておくことが安心につながります。
フィリピンでの給与交渉を成功させるポイントとキャリア戦略
フィリピンで働く日本人が給与交渉を成功させるには、現地の雇用市場の特性を理解することが重要です。
企業規模や業種によって給与テーブルが異なるほか、英語力や専門スキルが給与に大きく影響します。また住宅手当や交通費などの福利厚生も、実質的な収入を左右する重要な要素です。
企業規模による給与テーブルの違い
フィリピンの日系企業では、企業規模によって給与水準に大きな差があります。大手日系企業や外資系企業では月給8万〜15万ペソ程度が相場ですが、中小企業では6万〜10万ペソ程度になることが一般的です。
現地採用の場合、マニラ首都圏では月給7万ペソが一つの目安とされています。セブ島では6万ペソ前後、地方都市では5万ペソ前後が相場です。
駐在員として派遣される場合は、日本の給与水準が維持されるため月給30万円以上が一般的で、住宅手当や帰国手当なども支給されます。求人に応募する際は、企業規模だけでなく業種や職種によっても給与が変わるため、複数の求人を比較検討することをおすすめします。
英語力と給与の相関関係
フィリピンでの給与交渉において、英語力は最も重要な評価ポイントの一つです。ビジネスレベルの英語が使えるかどうかで、給与が20〜30%変わることも珍しくありません。
日系企業であっても現地スタッフとのコミュニケーションは英語が基本なので、日常会話レベルでは不十分です。会議やプレゼンテーション、メール対応などができる実務レベルの英語力が求められます。
TOEICスコアで言えば、700点以上あれば給与交渉で有利になります。800点以上であれば管理職としての採用も視野に入ります。英語力に自信がない場合は、フィリピン赴任前に語学研修を受けることで、入社後の昇給スピードが変わってきます。
住宅手当や交通費などの福利厚生
給与の額面だけでなく、福利厚生の充実度も実質的な収入に大きく影響します。フィリピンでは家賃が月1万〜3万ペソかかるため、住宅手当の有無は生活水準を左右します。
| 福利厚生項目 | 支給額の目安 |
|---|---|
| 住宅手当 | 月1万〜3万ペソ |
| 交通費 | 月2,000〜5,000ペソ |
| 医療保険 | 会社負担が一般的 |
| 帰国費用 | 年1〜2回分支給 |
駐在員の場合は住居が会社負担になるケースが多く、光熱費まで含まれる場合もあります。現地採用でも、住宅手当や交通費補助を提供する企業が増えています。
医療保険については、民間の病院を利用できる保険に加入できるかが重要です。公立病院は待ち時間が長く、設備も十分とは言えないため、福利厚生として民間病院対応の保険が含まれているかを確認しましょう。
昇給システムとキャリアアップの実態
フィリピンの日系企業における昇給は、年1回の定期昇給が一般的で、昇給率は3〜8%程度です。ただし現地採用の場合、日本のような年功序列ではなく実力主義が基本になります。
キャリアアップのスピードは、職種や業種によって大きく異なります。営業職やIT職では実績次第で短期間に管理職へ昇進できる可能性がありますが、事務職では昇進の機会が限られることもあります。
転職によるキャリアアップも一般的で、同じ職種でも転職することで給与が20〜30%アップするケースも珍しくありません。フィリピンでは転職がネガティブに捉えられることは少なく、むしろスキルアップの手段として認識されています。
長期的なキャリア形成を考えるなら、英語力の向上と専門スキルの習得が不可欠です。日本人としての強みを活かしながら、現地の市場価値を高めていく戦略が求められます。
フィリピンで働くためのビザ情報
フィリピンで働くためには、適切なビザの取得が必須です。
観光ビザでの就労は法律で禁止されています。違反すると罰金や国外退去処分となる可能性があります。
就労を希望する日本人は、事前に必要なビザの種類や取得条件を理解しておくことが重要です。
就労ビザの種類と取得条件
フィリピンで就労可能なビザは主に以下の2種類です。
| ビザの種類 | 説明 | 取得条件 |
|---|---|---|
| 9(G)ビザ(Pre-Arranged Employment Visa) | フィリピンで就労することが事前に決定している場合に取得するビザ。 | フィリピン企業からの雇用契約書、AEP(Alien Employment Permit)の取得が必要。 |
| Special Work Permit (SWP) | 短期的な就労や会議、研修などを目的としたビザ。 | フィリピン企業からの招聘状、就労期間が6ヶ月以内であることなどが条件。 |
9(G)ビザは長期的な就労を目的とする場合に、SWPは短期的な就労を目的とする場合に取得します。
それぞれのビザの取得条件や手続きは異なるため、自身の状況に合わせて適切なビザを選択する必要があります。より詳しい情報は、在東京フィリピン大使館のウェブサイトなどを参照ください。
就労ビザの申請手続き
就労ビザの申請は、フィリピン大使館または領事館で行います。
申請に必要な書類はビザの種類によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
- 有効なパスポート
- ビザ申請書
- 写真
- 雇用契約書(9(G)ビザの場合)
- AEP(9(G)ビザの場合)
- 招聘状(SWPの場合)
必要書類と費用
ビザ申請には費用がかかります。
費用はビザの種類や滞在期間によって異なります。
また、申請書類の不備や追加書類の提出が必要になった場合、追加費用が発生する可能性もあります。
学生ビザでの就労は可能?
フィリピンでは、学生ビザでの就労は原則として認められていません。
学生ビザはあくまでも就学を目的としたビザです。就労を目的とした活動はできません。ただし、大学などの教育機関が認めたインターンシップやボランティア活動に参加することは可能です。
これらの活動に参加する場合は、事前に教育機関の許可を得る必要があります。
アルバイトが発覚した場合、ビザの取り消しや国外退去処分となる可能性があります。フィリピンで就労を希望する場合は、必ず適切な就労ビザを取得するようにしてください。
フィリピンでの生活費と生活水準
フィリピンでの生活費は、日本と比べて大幅に低いことが知られています。
しかし、その生活費は地域や生活スタイルによって大きく変動します。首都圏のマニラと地方都市では、家賃や食費に大きな差があります。
また、自炊中心の生活か外食が多いか、公共交通機関を利用するか、自家用車を持つ必要があるかなどによっても、生活費は大きく変わってきます。そのため、フィリピンでの生活費を正確に把握するには、具体的な地域や生活スタイルを考慮する必要があります。
生活費の内訳
フィリピンでの生活費の内訳を、主要な項目ごとに見ていきましょう。以下は、マニラ首都圏における一人暮らしの場合の目安です。
地方都市では、家賃を中心にさらに低い費用で生活できる可能性があります。
家賃・食費・光熱費 (一か月)
| 項目 | 費用目安(フィリピンペソ) | 費用目安(日本円) |
|---|---|---|
| 家賃(コンドミニアム) | 30,000 – 50,000 | 約90,000 – 150,000 |
| 家賃(アパート) | 10,000 – 30,000 | 約30,000 – 90,000 |
| 食費(自炊) | 10,000 – 15,000 | 約30,000 – 45,000 |
| 食費(外食中心) | 10,000 – 30,000 | 約30,000 – 90,000 |
| 光熱費(電気・水道・ガス) | 5,000 – 8,000 | 約15,000 – 24,000 |
家賃は、物件の立地や築年数、設備によって大きく変動します。
マニラ首都圏の中心部にある高級コンドミニアムでは、50,000ペソ以上する物件も珍しくありません。一方、地方都市や首都圏郊外のアパートであれば、5,000ペソ程度で借りられる場合もあります。食費も、自炊中心であれば比較的安く抑えられますが、外食が多いと費用がかさみます。光熱費は、冷房の使用頻度によって大きく左右されます。
交通費・通信費・娯楽費 (一か月)
| 項目 | 費用目安(フィリピンペソ) | 費用目安(日本円) |
|---|---|---|
| 交通費(電車・バス) | 1,000 – 5,000 | 約3,000 – 15,000 |
| 通信費(携帯電話・インターネット) | 1,000 – 3,000 | 約3,000 – 9,000 |
| 娯楽費 | 2,000 – 10,000 | 約6,000 – 30,000 |
交通費は、移動手段や距離によって異なります。
電車やバスなどの公共交通機関は比較的安価ですが、タクシーやライドシェアサービスを利用すると費用がかさみます。
通信費は、携帯電話のプランやインターネットの速度によって変動します。娯楽費は、個人の趣味や嗜好によって大きく変わるため、一概に目安を示すことは難しいですが、映画館やカラオケ、ショッピングモールでの買い物など、比較的安価な娯楽もたくさんあります。
生活水準の目安
フィリピンでの生活水準は、収入と支出のバランスによって決まります。
月収30,000ペソ(約60,000円)あれば、首都圏で比較的快適な生活を送ることができると言われています。
地方都市であれば、さらに低い収入でも十分に生活できる可能性があります。
ただし、これはあくまで目安であり、個人の生活スタイルや求める生活水準によって必要な金額は異なります。
収入と支出のバランス
フィリピンで生活する上で重要なのは、収入と支出のバランスを適切に管理することです。
予算を立て、無駄な支出を控えることで、限られた収入でも快適な生活を送ることができます。
また、副業などで収入を増やすことも検討すると良いでしょう。
生活の質を高めるためのポイント
フィリピンでの生活の質を高めるためには、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
- 安全な地域に住む: 治安の良い地域を選ぶことで、安心して生活できます。警備体制が整っているコンドミニアムや、治安の良い地域にあるアパートなどを検討しましょう。
- 信頼できる医療機関を見つける: フィリピンでは、医療費が高額になる場合もあります。信頼できる医療機関を見つけておくことで、万が一の際にも安心して医療サービスを受けることができます。海外旅行保険への加入も検討しましょう。
- 語学力を向上させる: 英語やタガログ語などの語学力を向上させることで、現地の人々とのコミュニケーションが円滑になり、生活の幅が広がります。語学学校に通ったり、オンライン学習を利用したりするなど、積極的に語学学習に取り組みましょう。
- 現地の文化や習慣を尊重する: フィリピンには、独自の文化や習慣があります。それらを尊重することで、現地の人々との良好な関係を築き、より充実した生活を送ることができます。
これらのポイントを踏まえ、自分に合った生活スタイルを見つけましょう。
フィリピンでの生活をより豊かで充実したものにできるでしょう。
より詳しい情報は、ジェトロのウェブサイトなどを参考にしてください。
日本人がフィリピンで働くには?
フィリピンで働くことを検討している日本人は増加傾向にあります。
温暖な気候、物価の安さ、親日家が多い国民性など、魅力的な要素が多い国です。
しかし、日本とは異なる文化や労働環境を理解し、適切な準備をすることが重要です。
この章では、日本人がフィリピンで働くための具体的な方法、
必要なスキルと資格、就職活動のポイントなどを解説します。
求人情報の探し方
フィリピンでの求人情報は、主に以下の方法で探すことができます。
求人サイト・エージェントの活用
数多くの求人サイトや人材紹介エージェントが、フィリピンでの仕事を紹介しています。
これらのサイトを活用することで、自分のスキルや希望に合った仕事を見つけることができます。
主な求人サイト・エージェントは以下の通りです。
- Indeed:世界的に有名な求人サイトで、フィリピン向けの求人も多数掲載されています。 Indeed
- JobStreet:東南アジアを中心に展開する求人サイトで、フィリピンでの求人を探す際に役立ちます。 JobStreet
- CareerJet:複数の求人サイトの情報をまとめて検索できるため、効率的に求人を探すことができます。 CareerJet
- JAC Recruitment:外資系企業や日系企業の求人を多く扱っている人材紹介会社です。 JAC Recruitment
- RGF Professional Recruitment Japan:多様な業界の求人を扱っており、フィリピンでの就職もサポートしています。 RGF Professional Recruitment Japan
現地でのネットワーク構築
フィリピンには、既に多くの日本人が働いています。
現地で働く日本人との繋がりを作ることで、
貴重な情報を得たり、仕事の機会に繋がる可能性があります。
積極的に交流会やイベントに参加したり、SNSなどを活用して情報収集を行いましょう。
必要なスキルと資格
フィリピンで働くためには、一定のスキルと資格が必要です。
特に、語学力、専門知識、経験は重要視されます。
また、特定の職種では、資格が必須となる場合もあります。
語学力・専門知識・経験
英語はフィリピンの公用語の一つです。
ビジネスシーンでは広く使われています。
英語でのコミュニケーション能力は、仕事を見つける上でも、仕事を進める上でも非常に重要です。
また、ITエンジニアや医療従事者など、専門的な知識やスキルを持つ人材は需要が高いです。
高い給与を得られる可能性があります。
さらに、これまでの職務経験も評価の対象となります。
自分のスキルや経験を明確にアピールできるように準備しておきましょう。
資格取得のメリット
フィリピンで働く上で、必ずしも資格が必須ではありません。
ですが、資格を取得することで就職活動が有利になる場合があります。
特に、TESOL(英語教授法)や日本語教師の資格は、英語教師や日本語教師を目指す人にとって大きなメリットとなります。
また、IT関連の資格や医療系の資格も、専門性を高め、キャリアアップに繋がる可能性があります。
| 職種 | 必要なスキル・資格 | 平均月収の目安 |
|---|---|---|
| ITエンジニア | プログラミングスキル、英語力、関連資格(例:AWS認定) | 50,000ペソ〜 |
| 英語教師 | 英語力、TESOL、大学卒業資格 | 30,000ペソ〜 |
| 日本語教師 | 日本語教育能力検定試験、日本語力、大学卒業資格 | 25,000ペソ〜 |
| カスタマーサポート | 英語力、コミュニケーション能力 | 20,000ペソ〜 |
| 翻訳・通訳 | 英語力、日本語力、翻訳・通訳のスキル | 40,000ペソ〜 |
※平均月収はあくまでも目安であり、経験やスキル、勤務地などによって異なります。
まとめ
フィリピン人の平均年収は日本円で約40万〜60万円程度と、日本と比較すると大きな開きがあります。一方で、日本人の現地採用では月収6万〜15万ペソ(約18万〜45万円)が相場となっており、職種や英語力、企業規模によって給与水準は大きく異なります。
特にIT技術職や管理職では高めの給与設定となっており、英語力が高いほど給与交渉で有利になる傾向があります。また、住宅手当や交通費などの福利厚生が充実している企業も多く、額面給与だけでなく総合的な待遇を確認することが重要です。
税負担については、フィリピンの所得税率は累進課税となっていますが、日本と比較すると低所得層の税負担は軽めです。ただし、社会保険料や現地での生活費も考慮した上で、実際の手取り額をシミュレーションすることをおすすめします。
フィリピンでのキャリアを考える際は、給与だけでなく、キャリアアップの機会や昇給システム、英語環境での業務経験など、長期的な視点で判断することが成功のポイントです。企業規模や業界によって給与体系は異なるため、複数の求人情報を比較検討し、自分のスキルや経験に見合った条件を見極めることが大切です。








