フィリピン人の収入事情を徹底調査!【平均月収・最低賃金など】
フィリピンの人口はここ数年で増加の一途をたどり、現在では1億人を突破しています。
少子高齢かと人口減少に苦しむ日本とはおよそ対照的です。
皆さんは、フィリピンで働いたり、生活をしたりすることを考えたことはありますか?
留学や旅行で訪れる日本人が多いフィリピンですが、実は現地で働いている人、移住をした人も一定数存在します。
そこでこのページでは、フィリピンで働く場合の平均月収に焦点を当て、一体どの程度の金額なのかを見ていきます。
日本とは物価の違いがあるため、単純に金額の大小で比べることはそれほど意味がありません。
またお金だけでは表せないフィリピンの魅力も存分ありますので、ぜひ客観的に捉えるようにしてください。
フィリピンの平均月収
International Labor Organization (国家統計局国際労働機関)の調べによると、フィリピン人の平均年収は23万ペソ(日本円でおよそ48万円)となります。
フィリピンのGDPのランキングは世界で38位、GDPの成長率も2016年以降から6%を超えており、非常に勢いのある国だといえるでしょう。
平均月収の値はあくまで平均値であって、地方に行くとほとんど自給自足のような、貨幣経済とは縁遠い生活を送っている方もいるため、実態は23万ぺそよりも少し高くなるはずです。
フィリピンの平均月収例①:マニラ
マニラの1ヶ月の平均賃金は26,000円です。
これは日給の最低賃金をベースに計算をした値です。
仕事によっては「住宅補助付き」「朝と夜の食事付き」などの場合もあるため、一概に賃金の良し悪しでは測れないところもあります。
例えばフィリピンの看護師の場合は、月収で27,000円です。
日本で看護師の収入の10分の1ほどしかありませんが、27,000円でもフィリピンでは快適な生活が送れるということです。
つまり、フィリピンの平均月収は日本と比べて全体的に低いということがわかります。
逆にフィリピンと日本をつなぐビジネスを考えている人であれば、人件費が安いということですのでチャンスになり得るかもしれません。
フィリピンの平均月収例②:セブ
セブ島のゆったりとした暮らしに憧れ、移住を決断する日本人も最近では多く見受けられます。
住むとなるとやはり必要なのは「職探し」です。
セブ島での平均月収はおよそ25,000円程度だといわれています。
セブ島ではIT関連とコールセンターのアウトソーシングの中心地となっているため、関連する仕事での求職が多くを占めています。
職業別でみるフィリピンの月収例
フィリピンで日本円で18万円を超える月収をもらっている人は、人口のわずか15%です。
その15%の人達の職種としては、以下のようなものがあります。
いずれかの仕事に就くことができれば、フィリピンでの生活もかなり余裕のあるものになるでしょう。
・カスタマーサービスマネージャー (Customer service representative)
・ソフトウェアエンジニア (Software engineer)
・ウェブディベロッパー (Web developer)
・資格を持つ看護師 ( Registered nurse)
・コールセンターエージェント ( Call center agent)
・ オペレーションマネージャー (Operations manager)
・会計士 ( Accountant)
・大学教授 (Professor)
・ファッションデザイナー (Fashion Designer)
補足情報:支払い形態の違い
補足情報として紹介しておくと、フィリピンと日本ではお給料の支払い方法が異なります。
法律によってフィリピンでは、月2回の支払いと決まっています。
そして、ある程度しっかりした大企業なのであれば、お給料は銀行振り込みです。
一方現金を手渡しで受け取るということもあります。
これは特に地方において、銀行口座を持っている人が少ないといった場合です。
フィリピンの労働市場まとめ
ここからは、フィリピン人の労働市場に焦点を当てて説明をしていきます。
経済成長が進んでいるとはいえ、持つ者はさらに持ち、持たざる者は依然として持たないという状況です。
平均月収以外にも労働市場に着目することで、フィリピンの新たな側面が見えてくることでしょう。
出稼ぎ大国フィリピン
日本国外を様々旅していると、至る所でフィリピン人を見かけます。
東京をはじめ、台湾や中国、アメリカやカナダ、そしてヨーロッパの各都市には多くのコミュニティが存在します。
彼らのほとんどは出稼ぎ労働者が、もしくは移住を果たしたフィリピン人です。
あるデータによると、フィリピンから国外に出て働いている人は世界中で400万人を超えると推定されています。
日本人が150万人ほどですので、同じ人口規模だとすると、いかにフィリピン人が海外に進出しているかがわかるでしょう。
フィリピンでは家族のコミュニティが強く、彼らが一番大切にするものです。
子供が海外で働いて、そのお金を本国のフィリピンに送金して家族を養うというのは、フィリピンではごく一般的に行われています。
フィリピンでの経済格差が賃金格差を生む
フィリピンは、私たち日本人が想像する以上に、貧富の差が激しい国です。
一度フィリピンに行ったことがある人であれば、街中で多くのストリートチルドレンを見かけたことがあるのではないでしょうか。
バッラック小屋の近くで、雨風をしのげるだけの家、そして生活排水などは近くの川に垂れ流しという光景も見受けられます。
彼らは教育にアクセスすることができず、結果として親から子へと貧困の連鎖が受け継がれていくのです。
一方のマニラの市街地に目を向けると、この国の経済発展をひしひしと感じることができます。
フィリピンワインド同様に西欧諸国からのアウトソーシング産業が盛んとなっています。
アウトソーシングの上流工程にいる人は、さらに国内の労働者に安価に受け流します。
中間層は徐々に富んで行き、末端の労働者は貧しいままになる、こうした状況が賃金格差を生んでいる原因です。
日本の学生はアルバイトできる?
結論からいうと、学生ビザでフィリピンに滞在している限りではフィリピンでアルバイトをすることはできません。
フィリピンで働くためには就労ビザというものを取得する必要があるからです。
就労ビザは働く会社の後ろ盾のもとで発行されるものですので、自分だけで作れるというものではありません。
語学学校に在籍する場合は、お手伝いという形で働くことが可能な場合があります。
働く場合はスタッフやマネージャーに相談することをお勧めします。
日本人がフィリピンでお金を稼ぐには?
500mlの水が30円、タクシーの初乗りが60円、ジプニー(バスのような乗り物)が15円。
このように見ると、かなり安く感じるのではないでしょうか。
フィリピン人と同じような生活をすれば、圧倒的に生活コストを下げることは可能です。
これからフィリピンへの移住を考えている方に向けて、職探しに関するアドバイスを4点お伝えします。
①日本語を活かせる仕事に就く
まず最初に思いつくのが、日本語を生かせる仕事に就くということです。
コールセンターでは日本人(日本語ネイティブ)を募集しています。
またホテルや宿泊施設のクリーニングの仕事は、接客業ではないため、英語が得意ではなくても問題ありません。
その他、日本語教師なども需要があります。
とりあえず直近でお金が必要だという場合は、上記の仕事をしつつ、英語の勉強をしながらステップアップを図るのが良いでしょう。
②IT関係は強い
先ほども申し上げたように、フィリピン人でも平均給与水準が高いのは Web デザイナーやデベロッパーなどのIT関係です。
フィリピンは、日本を含む海外企業のオフショア開発の拠点となっているため、IT系で即戦力となれるならば職探しに困ることはないでしょう。
実際にエンジニアと語学力をセットで身につくことができるサービスなどもあります。
英語を身につけながら、プログラマーとして活躍をすることができるのも非常に魅力的です。
さらに日本語と英語を両方使えるのであれば、日本企業の橋渡し役として、プロジェクトマネージャーなどのポストで活躍することも可能です。
③田舎暮らしで節約
マニラやセブの都会と比べ、バギオやアンへレスなど少し離れたところでは生活コストも下がります。
給料が少なかったとしても、その分生活費を抑えることができれば、 仮に1万5000ペソ(30,000円)の月収であっても快適に生活をすることができます。
さらにIT関係であればリモートで仕事をすることもできますので、WiFi環境さえ整っていれば、都会から遠く離れていても問題ありません。
④平均月収では測れないやりがいも
物質的に豊かな日本ですが、日々の忙しい生活に追われ精神的に疲弊している人も多いでしょう。
フィリピンはセブ島などのリゾート地もありますし、田舎にいけばかなりのどかな光景を目にすることができます。
お金だけではない幸せのものさしに気づき、「豊かな」生活を求めフィリピンに移住を決断する日本人も年齢を問わずいます。
フィリピンの収入事情を日本と比べてしまえば、ひとたまりもありません。
しかし本当の豊かさとは何か、その答えの先にフィリピンでの生活を決めた日本人がいるのも事実です。
まとめ:フィリピン人の収入事情を徹底調査!
このページではフィリピンの平均月収に関してまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
フィリピンに留学や旅行をしたことをきっかけに、そのまま移住を決断する人も多いようです。
社会人の方であれば、企業で培ったビジネススキルや語学力を生かし、更なるステップアップを目指すこともできます。
経済格差や貧困など様々な問題を抱えるフィリピン。
このページを通して、フィリピンのリアルを少しでも知ってていただけたら幸いです。
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