ロゴマーク

【受付時間】

月〜土

10:00-19:00

フィリピン 公用語

フィリピンの公用語は何語?英語とフィリピン語(タガログ語)の役割と80種以上の現地語

⌚ 2025年2月12日 公開(2025年11月26日 更新)

フィリピンへの留学や旅行を計画していて、「現地では何語が通じるの?」「英語だけで大丈夫?」と気になっていませんか。

フィリピンの公用語は英語とフィリピン語の2つですが、実は地域によって80種類以上の言語が使われています。
この記事では、公用語が2つある歴史的な背景、英語とタガログ語の使い分け、地域ごとの言語分布、そして旅行者が知っておくべき英語の通用範囲まで、フィリピンの言語事情を分かりやすく解説します。現地でスムーズにコミュニケーションを取るために必要な知識が得られます。

フィリピンの公用語は「英語」と「フィリピン語」の2つ

フィリピンでは、憲法で「フィリピン語(Filipino)」と「英語(English)」の2つが公用語として正式に定められています。

この二言語体制(バイリンガリズム)は、アジアの中でもかなり珍しいケースです。特に英語を公用語として使う国は、東南アジアではフィリピンだけなのです。

しかし、「なぜ英語が公用語なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。その答えは、フィリピンの複雑な歴史に隠されています。

フィリピン語はタガログ語がベースの「国語」

フィリピン語は、首都マニラを含むルソン島中部で話されているタガログ語を基盤にして作られた言語です。1987年の憲法で、正式に「Filipino」という名称で国語として定められました。

ただし実際には、首都マニラ周辺のタガログ語がそのまま使われることが多く、地方の人々からは「実質タガログ語では?」という声も聞かれます。フィリピンには170以上の言語が存在するため、言語のアイデンティティは地域によって大きく異なるのです。

言語名 話者数(推定) 主な使用地域
タガログ語(フィリピン語) 約2800万人 ルソン島中南部、マニラ首都圏
セブアノ語 約2100万人 セブ島、ミンダナオ島北部
イロカノ語 約900万人 ルソン島北部

なぜ東南アジアで唯一?英語が公用語として定着した歴史的背景

フィリピンで英語が公用語となった背景には、アメリカによる植民地支配があります。1898年の米西戦争後、フィリピンはスペインからアメリカの植民地となりました。

アメリカは全国に公立学校を建設し、教育の標準言語を英語に設定しました。1901年には「トマス派遣団(Thomasites)」と呼ばれる約500人のアメリカ人教師が来比し、フィリピン中で英語教育を展開したのです。

英語は単なる言葉ではなく、「近代化の象徴」としてフィリピン人に受け入れられていきました。その結果、教育・政府・司法・メディアなどあらゆる場面に英語が浸透し、独立後も公用語として残されることになったのです。

2言語体制(バイリンガリズム)を支える現地の教育

現在のフィリピンでは、小学校から英語とフィリピン語の両方で授業が行われています。数学や理科は英語で、社会科や道徳はフィリピン語で教えるといった形です。

このバイリンガル教育により、フィリピン人の多くは幼い頃から2つの言語を自然に使い分けられるようになります。都市部の若い世代では、英語とタガログ語を混ぜた「タグリッシュ」と呼ばれる話し方も一般的です。

フィリピンの教育制度では、英語力が就職や昇進にも直結するため、英語を学ぶことが社会的なステップアップの手段として広く認識されています。この教育システムが、フィリピンを世界有数の英語人材輸出国へと押し上げているのです。

英語とタガログ語の役割の違い

フィリピン 公用語

フィリピンでは英語とタガログ語が公用語として並立していますが、実際の使用場面には明確な役割分担があります。どちらの言語をどの場面で使うかは、環境や相手によって自然と使い分けられています。

ビジネスや高等教育では英語が中心

フィリピンのビジネス現場や大学・大学院レベルの教育では、英語が主要な使用言語です。契約書や企業の公式文書、プレゼンテーション、メールのやり取りは基本的に英語で行われます。

特にIT・BPO業界や外資系企業では英語力が採用の必須条件です。大学でも経済学、工学、医学などの専門分野は英語で授業が進められることが多く、教科書も英語のものが使われています。

このため、学歴や職種によって英語力に大きな差が生まれています。大学を卒業してホワイトカラーの仕事に就いている人は、日常的に英語を使うため流暢に話せますが、専門教育を受けていない層では英語をほとんど使わないケースも珍しくありません。

日常会話や家庭内ではタガログ語(現地語)

一方で、友人との会話や家庭内、街中の買い物や飲食店でのやりとりではタガログ語や地方言語が中心です。マニラ周辺では特にタガログ語が日常の主役になります。

テレビ番組やラジオ、SNSでの投稿もタガログ語が多く、感情を込めて話すときには母語であるタガログ語が自然に出てきます。タガログ語と英語を混ぜた「タグリッシュ(Taglish)」という話し方も一般的で、英語の単語をタガログ語の文章に入れて話すスタイルが若い世代を中心に定着しています。

場面 使用言語 補足
オフィス・会議 英語 書類や正式な場では英語が標準
大学の授業 英語 専門科目は英語で行われることが多い
家族との会話 タガログ語・地方言語 母語が自然に使われる
友人とのSNS タグリッシュ 英語とタガログ語を混ぜて使う

英語力と給与・職業の相関関係

フィリピンでは、英語力がそのまま給与や職業の選択肢に直結しています。英語が流暢に話せることで、より高収入の職種に就けるチャンスが広がります。

例えば、コールセンターやカスタマーサポート業務は英語力が必須ですが、給料は平均的なサービス業の2倍近くになることも珍しくありません。IT企業やグローバル企業では、英語力によって昇進のスピードや担当できるプロジェクトの規模が変わってきます。

一方で、地方の農業や建設業、地元商店などでは英語を使う機会がほとんどないため、英語力がなくても生活には困りません。ただし、キャリアアップや収入増を目指す場合、英語の習得が重要な鍵になるのは間違いありません。

80種類以上!フィリピンの言語の種類と地域言語の分布

フィリピンでは英語とフィリピノ語が公用語として使われていますが、実はそれ以外にも80種類以上の地域言語が現役で話されています。しかもこれらの言語は方言ではなく、文法も語彙もまったく異なる独立した言語です。

これだけ多様な言語が生き残っている背景には、フィリピンが7,000以上の島で構成されているという地理的な理由があります。各島や地域で独自の文化が育まれてきた結果、言語もそれぞれ独自に発展してきました。

セブアノ語やイロカノ語など主要な地域言語の分布

フィリピンには全国規模で話される地域言語がいくつかあります。代表的なのがセブアノ語、イロカノ語、ヒリガイノン語などです。これらの言語は、それぞれ数百万人規模の話者を持ち、地域によっては日常生活や地方政治で頻繁に使われています。

言語名 主な使用地域 話者数(推定) 特徴
セブアノ語 セブ島、ミンダナオ島北部 約2,000万人 フィリピン第二の言語。ビサヤ諸島で広く使用
イロカノ語 ルソン島北部 約900万人 フィリピン北部で最も影響力のある言語
ヒリガイノン語 パナイ島、ネグロス島 約700万人 イロイロ市やバコロド市などで広く使われる
ワライ語 サマール島、レイテ島 約350万人 東ビサヤ地方の主要言語
カパンパンガン語 パンパンガ州 約300万人 タガログ語とは文法的にも大きく異なる

たとえばセブアノ語は、ビサヤ地方やミンダナオ島で広く使われており、話者数ではフィリピノ語に次いで第2位です。セブ市やダバオ市では、日常会話はセブアノ語が中心で、英語やタガログ語はビジネスや公式の場で使われます。

地域言語が今も生活・文化に根付いている理由

なぜこれほど多くの地域言語が今も使われ続けているのでしょうか。その理由は大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、地理的な隔離による独自の文化形成です。フィリピンは島国であり、各島の間には海があるため、昔から交流が限られていました。そのため、言語もそれぞれの島や地域で独自に発展してきたのです。

2つ目は、家庭内や地域コミュニティでの伝承です。多くのフィリピン人にとって、地域言語は「家族の言葉」であり、アイデンティティの一部です。親から子へ、祖父母から孫へと自然に受け継がれています。

3つ目は、地域メディアや教育の存在です。地方のラジオ局やテレビ番組では地域言語が使われており、最近では地域言語での初等教育も推進されています。これにより、子どもたちも自分の母語を大切にする環境が整っています。

また文化的な行事や祭り、民謡、演劇なども地域言語で行われることが多く、こうした活動が言語を守る大きな力になっています。言語は単なるコミュニケーションの道具ではなく、文化そのものだからです。

留学・旅行者が知っておくべき英語の通用範囲と注意点

ゼン イングリッシュ(ZEN English)のマンツーマン授業

フィリピンは公用語が英語ということもあり、「現地で英語が通じるなら安心」と思われがちです。ですが実際には、場所や相手によって英語の通じやすさに差があるのが現実です。

留学や観光でフィリピンを訪れる前に、どこで・誰に・どの程度英語が通じるのかを把握しておくと、現地での対応がスムーズになります。ここでは都市部と地方、世代や職業ごとの英語力の違い、そして独特の「フィリピン英語」の特徴と対応のコツを紹介します。

都市部と地方での英語力のばらつき

マニラ、セブ、ダバオといった都市部では、ホテル・空港・レストラン・ショッピングモールなど観光客が訪れる場所ではほぼ全員が英語を話せます。看板や案内も英語表記が標準なので、移動や買い物にも困りません。

一方、地方や農村部では状況が変わります。英語が話せるのは若い世代や教育を受けた人が中心で、年配の方や市場の売り子、地元の小規模店舗ではタガログ語や地方言語のみというケースも少なくありません。

観光地から少し離れた島や田舎町に行く場合は、簡単なタガログ語のフレーズ(Salamat、Magkano など)を覚えておくと役立ちます。

世代や職業による英語力のばらつき

フィリピンでは、教育を受けた若い世代ほど英語が流暢で、特にBPO業界(コールセンターなど)で働く人々の英語は非常に高いレベルです。一方で、教育機会が少なかった高齢者や、地方で生まれ育った人は英語が苦手な場合もあります。

また、職業によっても差があります。教師、医療従事者、ビジネスマンなどは日常的に英語を使うため会話もスムーズですが、タクシードライバーや市場の販売員などは簡単な英語のみ理解できる程度のこともあります。

職種・世代 英語力の目安
BPO業界(コールセンターなど) 流暢なビジネス英語
教師・医師・ホテルスタッフ 日常英語〜ビジネス英語レベル
タクシー運転手・店員 簡単な英語は理解可能
高齢者・地方の住民 英語が話せない場合もあり

フィリピン英語の「訛り(タグリッシュ)」の特徴

フィリピンで話される英語には、タガログ語の影響を受けた独特の訛りや表現があります。これを「タグリッシュ(Taglish)」と呼びます。英語とタガログ語が混ざった話し方で、現地の日常会話では頻繁に使われます。

たとえば「Let’s go na」(もう行こうよ)のように、英語の文にタガログ語の語尾がつくことがあります。また、発音の特徴として、「F」と「P」の区別が曖昧になることがあり、「Filipino」が「Pilipino」のように聞こえることもあります。

これらは訛りであって間違いではありません。相手の話をしっかり聞き、分からない部分は「Excuse me, could you repeat that?」と丁寧に聞き返すことで十分通じます

現地でスムーズにコミュニケーションを取るコツ

フィリピンで英語を使う際、相手に伝わりやすくするコツがあります。まずゆっくり・はっきり・シンプルに話すことです。難しい単語や長い文章は避け、中学英語レベルの短い文で伝えると理解されやすくなります。

また、フィリピン人は親しみやすく、困っている人を助ける文化があります。道に迷ったり、何かを尋ねたいときは遠慮せず声をかけてみてください。タガログ語で「Excuse me(Pasensya po)」や「Thank you(Salamat)」と言うだけで、相手の反応がぐっと良くなります。

ジェスチャーや地図アプリの活用も有効です。場所を聞くときはGoogleマップを見せる、料金を確認するときは電卓を使うなど、視覚的な情報があると意思疎通がスムーズです。

まとめ

フィリピンの公用語は「英語」と「フィリピン語(タガログ語ベース)」の2つです。アメリカ統治時代の影響により、東南アジアで唯一、英語が公用語として定着しました。ビジネスや高等教育では英語が中心的に使われ、日常会話や家庭内ではタガログ語や地域言語が使われるという使い分けがあります。

フィリピンには80種類以上の言語が存在し、セブアノ語やイロカノ語など主要な地域言語が今も生活や文化に深く根付いています。英語の通用範囲は都市部と地方、世代や職業によってばらつきがあり、タグリッシュと呼ばれる独特の訛りも存在します。

留学や旅行でフィリピンを訪れる際は、都市部では英語が広く通じますが、地方では現地語が中心になることを理解しておくとスムーズです。簡単なタガログ語のフレーズを覚えておくと、現地の人とのコミュニケーションがより円滑になります。

フィリピン留学ナビではフィリピンを専門に留学をサポートしています。ご相談はLINEなどで承っています。是非お気軽にご相談ください。

留学説明会に申し込む
LINEで無料相談