【体験談】フィリピンの大学での留年体験談。「入学は簡単、卒業は困難」は本当か?
⌚ 2026年7月16日 公開(2026年7月20日 更新)
「フィリピンの大学って、日本の大学よりも入学しやすいって聞いたけど本当?」
「『卒業するのがめちゃくちゃ難しい』ってよく耳にするけど、具体的に何がそんなに大変なの?」
みなさん、こんにちは!フィリピンの大学に正規留学中の[あなたの名前/ニックネーム]です。
よく留学情報サイトなどで「フィリピンの大学は入学のハードルが低い!」と書かれているのを目にしますよね。確かにそれは事実です。日本の一般入試のような過酷な受験勉強はほぼありません。
しかし、現地に飛び込んでみて私が痛感したのは、「入学の何十倍も、卒業する方が難しい」という恐ろしい現実でした。
日本の大学であれば、よほどのことがない限り4年間普通に通っていれば卒業できますよね。でも、フィリピンではその常識は一切通用しません。気づけば周りのクラスメイトがどんどん消えていく……なんてことが日常茶飯事です。
今回は、私が実際に現地で身をもって体感しているフィリピンの大学の「留年・卒業のリアルな難易度」について、具体的なカリキュラムや成績のシステム、そして日本との文化の違いまで徹底的にぶっちゃけます!
入学時の仲間が半分に!?数字で見る「卒業困難」のリアル
クラスメイトの半分が消える?私の学部の恐ろしい生存率
まず、どれくらい卒業するのが難しいのか、私の学部のリアルな数字をお話しします。
私の学部では、入学時に約30人のクラスメイトがいました。しかし、学年が上がるにつれて一人、また一人と姿を消していき、卒業まであと1年となった現在の時点で、同じタイミングで卒業できそうなのは、わずか14人しか残っていません。
実に半分以上の学生が、留年するか、途中で諦めてドロップアウト(退学・転部)していったのです。これがフィリピンの大学のリアルな洗礼です。
そもそも「ストレート卒業」にこだわらない多様なバックグラウンド
なぜこんなに卒業のタイミングがバラバラになるかというと、フィリピンの大学にはそもそも「4年で絶対に卒業しなきゃいけない」という日本の新卒一括採用のようなプレッシャーがないからです。学生たちのバックグラウンドも信じられないほど多様です。
- 高校を卒業してすぐに入学してきた現役生
- 高校卒業後、ギャップイヤー(休学・社会人経験など)を挟んで2年遅れて入ってきた人
- 他の大学や学部から編入(Transfer・Shift)してきた人
- 子育てをしながら大学に通う「ママさん学生」
- すでに一つの大学を卒業したのに、別の学びを求めて違う学部に入り直した人
- 50代を過ぎてから自分の夢のために学び直しているシニア学生
このように、誰もが「自分の目標やライフペースに合わせて、それぞれのタイミングで卒業すればいい」と考えています。そのため、留年や休学に対してもネガティブなイメージが全くありません。
自分で授業数をコントロールする「単位制」の仕組み
フィリピンの大学は完全な単位制です。卒業までに必要な単位数は大学や学部によりますが、おおよそ150単位前後(科目数にしてメジャー・マイナー合計で60科目前後)が一般的です。
自分のペースに合わせて「今学期は忙しいから3教科だけ履修しよう」と自由に選べますが、当然その場合は3年や4年で卒業することはできず、卒業時期はどんどん後ろにズレていくことになります。
勉強は難しいのか?留学生への特別扱いは一切なしの厳格なシステム
「でも、留学生だから教授が少しは手加減してくれるでしょ?」と思うかもしれませんが、答えは完全に「NO(特別扱いは一切なし)」です。現地学生と全く同じ土俵で戦わなければなりません。
合格ラインは驚異の「80点以上」!シビアな成績評価の裏側
私の大学を例に挙げると、成績の評価バランスが非常にシビアに設定されています。
| 評価項目 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 平常点(Class Standing) | 50% | 毎日の課題、授業内のプレゼン、小テスト(Quiz)など |
| 大テスト(Major Exams) | 50% | 中間テスト(Midterm)や期末テスト(Final) |
ここで何が一番恐ろしいかというと、多くのフィリピンの大学では単位をもらえる合格ライン(Passing Score)が「80点」に設定されていることです(日本の大学の60点合格とはレベルが違います)。
大テストで一発逆転を狙うことは不可能で、毎日の課題や小テストで常に高得点をキープし続けないと、一瞬で不合格(Failed)となり留年が確定します。
欠席は学期ごとに「2回まで」の超スパルタ出席管理
出席確認もめちゃくちゃ厳格です。1つの教科につき、1学期で休んでいいのは原則「2回まで」。3回目を欠席した時点で、どんなにテストの点数が良くても一発でその科目の単位を落とされます。体調管理すら命がけです。
空きコマなしの地獄!?3年制大学の超過激なタイムスケジュール
私が在籍しているのは「3年制」の大学(カリキュラム)なのですが、これがまた想像を絶する過密スケジュールなんです。
夏休み・冬休みを削って、4年分を3年に凝縮
なぜ4年かかるものを3年で卒業できるのかというと、単純に休みを返上しているからです。夏休みや冬休みといった長期休暇を極限まで短縮し、その代わりに「もう1つの学期(トリメスター制など)」をねじ込むことで、通常の4年制と同じ単位数を3年で消化します。
中学生並み!?1日5〜7教科のギチギチ授業
そのため、最初の2年半は地獄のような忙しさになります。1学期に履修する教科数は常に6〜8教科。
日本の大学生のように「1限と4限だけ授業があって、間はサークルやカフェでのんびり空きコマを過ごす」なんて優雅な時間はありません。朝から夕方まで中学生のように授業がギチギチに詰まったタイムスケジュールになることも多く、精神的にも体力的にもかなり追い込まれます。
私が感じる「成績を取るのが一番難しい」最大の理由
英語での講義そのものが難しいのは言うまでもありませんが、私が現地で最も「良い成績(単位)を取るのが困難だ」と感じている最大の理由は、フィリピンの教育特有のカルチャーにあります。
課題もプレゼンも!基本すべてが「グループワーク」という闇

フィリピンの大学は、とにかく何でもかんでもグループワークにさせられます。個人で完結する課題はほとんどなく、大きなプロジェクトやプレゼンは全てチーム戦です。
これがなぜ難しいかというと、「メンバー全員が100%貢献しないと、グループ全体の点数が下がる」からです。フィリピン人学生はとてもフレンドリーですが、中には課題を提出期限ギリギリまでやらないルーズな人や、最悪の場合バックれて連絡が取れなくなる人もいます。
そういったメンバーを引っ張り、時には自分が他人の分のタスクまでカバーしてクオリティを上げないと、自分の成績まで巻き添えを食らって「80点以下」になり、単位を落とす羽目になります。
最高学年で待ち受ける、卒業の2大ボス
この過酷な授業をなんとか乗り越えた最後の1年に、さらに大きな2つの壁が立ちはだかります。
- 1年がかりのグループ論文(Thesis):チームで膨大なリサーチと執筆を行い、厳しい教授陣のディフェンス(口頭試問)をクリアしなければなりません。
- 1学期間フルタイムのインターンシップ(Practicum):授業を一切入れず、一般企業や組織に入って週5日フルタイムで働く実務経験。これも卒業の必須要件です。
この2つを完遂して、ようやく「卒業」の二文字を手にすることができます。
なぜフィリピン人学生はこのスケジュールをこなせるのか?
こんなに過酷な環境なのに、なぜ現地のフィリピン人学生たちはドロップアウトせずに(あるいは留年しても明るく)付いていけるのでしょうか?そこには、日本とフィリピンの「大学生のライフスタイルの違い」や、そもそも大学に通えていることへの価値観の違いがありました。
「バイト」や「課外活動」をしない文化
日本の大学生の多くは、授業の合間や放課後にアルバイトをしたり、サークル活動に励んだり、長期休みにはインターンに行ったりと、社会経験を学外で積むのが一般的ですよね。
しかし、フィリピンでは「大学生の間は勉強に100%集中する」という文化が根強く、在学中にアルバイトをする学生はほとんどいません。そもそも、学生が短時間で効率よく稼げるようなバイトの選択肢自体が現地にはほぼないのです。
「社会経験や実務は、大学最後のカリキュラム(必須インターン)で嫌でもやるから、今はとにかく大学の授業をパスすることだけに全力を注ぐ」。この環境があるからこそ、あのギチギチのスケジュールでも現地学生は耐えることができるのです。
大学進学率は約35.5%!「大学に行けるのは優秀かお金持ちだけ」という現実
もう一つの大きな理由は、フィリピンの大学進学率にあります。日本の大学進学率が50%を大きく超えているのに対し、フィリピンの高等教育(大学など)への進学率は約35.5%(※UNESCO統計)と、日本に比べてかなり低い水準です。
つまり、フィリピンにおいて大学に通えている人というのは、「血の滲むような努力をして奨学金を勝ち取った相当優秀な人」か「学費を難なく払える裕福なお金持ちの家庭の子」のどちらか、いわば一握りのエリートたちなんです。
「家族を養う」「海外で稼ぐ」みんなが並々ならぬ目標を持っている
彼らは「周りがみんな行くからなんとなく大学へ進学した」という日本の大学生とは、背負っている覚悟の量が違います。
フィリピン人学生はみんな、「自分が良い成績で大学を卒業して、いい会社に就職して家族を養うんだ」「将来は海外に出て高収入を稼ぐんだ」という、個人の枠を超えた明確で強い目標を持っています。
大学で学ぶこと自体が一種の特権であり、家族の期待を背負っているからこそ、どんなに課題が過酷でスケジュールが地獄であっても、愚痴を言いながらも明るく、驚異的なタフさで乗り越えていくことができるのです。
まとめ|覚悟は必要、でも乗り越えた先には本物の実力がつく!
フィリピンの大学留学における「卒業の難しさ」のリアル、伝わりましたでしょうか?今回のポイントをおさらいします。
- クラスの半分以上がストレート卒業を逃す厳しい世界。
- 合格ラインは驚異の80点以上。留学生への手加減は一切なし!
- 3年制は休みを削って授業を凝縮するため、中学生並みの過密スケジュールになる。
- 成績の鍵は、他人に振り回されるグループワークをいかに攻略するか。
- 現地学生はバイトをしないため勉強に専念している。
これだけ聞くと「自分にできるかな……」と怖くなってしまうかもしれませんが、安心してください。この過酷な環境で揉まれ、容赦ないグループワークを英語で切り抜けて卒業した頃には、世界中のどこに行っても通用する圧倒的な英語力、タフな交渉力、そして本物のメンタルが身についています!
「日本のぬるま湯の大学生活じゃ物足りない」「自分を限界まで追い込んで成長させたい」という人にとって、フィリピンの大学は最高の環境です。ぜひ、強い覚悟を持って挑戦してみてください!



